法定相続情報一覧図の必要書類と流れを司法書士が解説

  • 2021年7月24日
  • 2021年7月25日
  • 相続
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法定相続情報証明制度とは

法定相続情報証明制度とは平成29年5月29日から始まった被相続人と相続人との関係を法務局に証明してもらう制度です。

この相続情報証明制度が始まる前は戸籍謄本等一式を相続登記の時には法務局に、預貯金の相続手続きのときには金融機関に、相続税の申告手続きのときには税務署に、その都度戸籍謄本等を提出しなければならなかったので相続人にも提出先の金融機関や役所側にも大きな負担となっていました。

そこで法務局に戸籍謄本等と相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出し、その法定相続情報一覧図に認証文を付した写しを交付してもらうことによって、様々な相続手続きで、戸籍謄本等の代わりに法定相続情報一覧図の写しを提出することができることになり、相続人と提出先の負担を解消することができるようになりました。

法定相続情報一覧図とは

法定相続情報一覧図とはその名のとおり、法定相続人の情報を家系図のような形式でまとめた図面です。

法定相続情報一覧図には亡くなった人の氏名、最後の住所、最後の本籍、生まれた日、死亡した日と相続人の氏名、住所、生まれた日、続柄、誰が申出人等が記載されます。

法定相続情報一覧図の保管等の申し出の必要書類

必ず必要になる書類

①法定相続情報一覧図

②亡くなられた被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

③亡くなられた被相続人の住民上の除票又は戸籍の附票

④相続人全員の現在の戸籍謄本又は抄本

⑤申出人の氏名・住所を確認することができる公的な書類

具体的には次の書面

・運転免許証(原本と相違ない旨を記載した運転免許証の表裏面のコピー)

・マイナンバーカード(原本と相違ない旨を記載した運転免許証の表面のコピー)

・住民票

・戸籍の附票

・印鑑証明書

必要になることがある書類

⑥相続人全員の住民票又は戸籍の附票(法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したい場合)

⑦委任状及び資格者代理人団体所定の身分証明書の写し等(資格者代理人が代理する場合)

法定相続情報証明制度の手続きの流れ

1.必要書類の収集

①亡くなられた人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本の収集

亡くなられた人の住民上の除票又は戸籍の附票の収集

相続人全員の現在の戸籍謄本又は抄本の収集

④法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したい場合には相続人全員の住民票又は戸籍の附票

2.法定相続情報一覧図の作成

法定相続情報一覧図は申出人が作成しなければなりません。

法務局の人が作成してくれるわけではありません。

基本的に法定相続情報一覧図は戸籍の代わりなので戸籍謄本等を見ながら作成します。

法定相続人を記載するので相続放棄をした人や相続欠格者や遺産分割の結果相続分がなくなった人も法定相続情報一覧図に記載します。

しかし相続の廃除を受けた人は法定相続情報一覧図には記載しません。

亡くなった人の最後の住所ですが、戸籍には住所が載らないので住民票の除票や戸籍の附票を見ます

法定相続情報一覧図に相続人の住所も記載したい場合は住民票も必要です。

また被相続人や相続人で日本国籍を有しない人がいて戸籍謄本等を提出できない場合はこの制度を利用することはできません。

3.法務局で申し出をする

法定相続情報一覧図と必要書類が準備できましたら法務局に申し出をしましょう。

①被相続人の本籍地
②被相続人の最後の住所地
③申出人の住所地
④被相続人名義の不動産の所在地
①持参
②郵送(返信用封筒が必要)

4.申出に必要な費用

無料です。

法定相続情報一覧図の再交付

法定相続情報一覧図は5年間の保管期間中であれば再交付も可能ですが、再交付の申出ができるのは当初の申出人に限られます。