支払督促とは?特徴・流れ・費用を解説

支払督促とは

支払督促とは申立人の申立てのみに基づいて簡易裁判所の裁判所書記官が相手方の言い分を聞かないで訴訟よりも安い手数料で相手方に金銭の支払いを命じる制度です。

支払督促の特徴

金銭等の支払い請求に使える

支払督促は金銭等に関する支払い請求に使えます。


支払督促の対象の例

・貸金の返還

・売買代金の請求

・未払給料の請求

・請負代金の請求

・家賃請求

・敷金・保証金の請求

相手方の言い分を聞かないで書面審理で命令

支払督促は裁判所書記官が書面審査のみで相手方の言い分を聞かないで、支払うように命令してくれる便利な手続きです。

相手方が異議を申し立てれば通常裁判所

支払督促は相手方の言い分を聞かないで、支払うように命じるので相手方は出された命令について簡単に文句(異議)が言えます。

相手方が異議申立期間(2週間)に異議を申し立てると通常の裁判に移行します。

従って相手方がお金を支払わない言い分がある場合や契約内容で相違があり争う可能性が高い場合には最初から通常の裁判を申し立てた方がよいかもしれません。

相手方の住所が不明だと使えない

支払督促は公示送達がが使えないので相手方の住所が判明している必要があります。

支払督促の流れ

1.支払い督促の申立

支払督促申立書を完成させて手数料と切手と一緒に相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に持参又は郵送します。

申立の必要書類

  1. 支払督促申立書
  2. 手数料
  3. 郵便切手
  4. 債権者又は債務者が法人の場合は登記事項証明書(法務局で取得できます)

2.簡易裁判所の裁判所書記官が申立書を審査

簡易裁判所の裁判所の裁判所書記官が支払督促の申立書を審査します。

請求に理由がありと裁判所書記官が判断されると相手方に支払い督促を発令してくれます。

3.支払督促を裁判所書記官が発令

支払督促を裁判所書記官が発令し相手方が支払督促の受領します。

受領後2週間が相手方の異議申立期間です。

異議申立期間内に相手方から異議がされると支払督促は失効し、通常の裁判に移行します。

裁判に移行した場合、請求金額が140万円以内であればそのまま簡易裁判所で裁判が行われますが、請求金額が140万円を超える場合は地方裁判所での裁判になります。

4.仮執行宣言付支払督促の申立

相手方が支払督促受領後、2週間以内に異議を申し立てない場合、支払督促の申立人は仮執行宣言付支払督促をの申立をします。

※この仮執行宣言付支払督促は2週間の異議申立期間満了から30日以内に申立てをしなければなりません。

5.仮執行宣言

裁判所書記官は仮執行宣言の申立ての内容を審査しまして問題がなければ、仮執行宣言付支払督促を相手方と申立人に送達します。

3の支払督促と同様に仮執行宣言付支払督促の受領後2週間の間、相手方は異議を申立てることができます。

裁判に移行した場合、請求金額が140万円以内であればそのまま簡易裁判所で裁判が行われますが、請求金額が140万円を超える場合は地方裁判所での裁判になります。

6.確定

仮執行宣言付支払督促の受領後2週間の間に異議の申立がなければ確定しまして確定判決と同じ効力を持ちます。

支払督促にかかる費用

手数料(収入印紙)

支払督促の手数料は訴訟手数料の半分です。

訴額等手数料
10万円まで

500円

20万円まで1,000円
30万円まで1,500円
40万円まで2,000円
50万円まで2,500円

予納郵券代

債務者一人の場合1,183円(札幌簡易裁判所の場合)